Seeds of contemplation.

1 9 7 2 年、米国防総省の高等開発局( DARPA: Defence AdvancedResearch Projects Agency)に加わったカーン氏は、複数のコンピュータ間を結ぶARPANET プロジェクトを担当する一方で、衛星パケット通信ネットワークおよび地上の無線パケット通信ネットワーク構築にもかかわった。その過程で、別個の伝送技術で構築されたこれら3 つのネットワークすべてを相互に接続できるような、オープンネットワーク技術の開発が必要だと考えるようになった。どんなネットワークでも、ゲートウェイ経由で相互接続することができ、集中管理や制御を必要としない分散的な構成が可能で、統一的なエラー制御の機能を備えた仕組みが存在すべきだと考えたのだ。

このコンセプトを実現するため、当時A R P A N E T で利用されていたN C P(Network Control Protocol)というプロトコルをベースに考案されたのがTCPである。

それから30 年経った今、インターネットのバックボーンは飛躍的に広帯域化し、それとともにTCP/IP の性能の限界がとりざたされるようになっている。また、生活基盤サービスへのTCP/IP の利用が進むにつれて、セキュリティーやサービス品質の確保における課題も指摘されるようになってきた。

TCP/IP は、こうした指摘にどう応えることができるのか。我々は、将来に向けてTCP/IP に何を期待し、どう使いこなしていくべきなのだろうか。インターネットマガジンでは、カーン氏にこれらの問題についてたずねた。

0 ♥ / 3 months ago